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仕事や研究、コンピューターとの付き合い方

アルツハイマー征服

アルツハイマー征服 (角川書店単行本)

 

久しぶりに一気読みした本。アルツハイマー征服は遠そうだが着実に病理の解明には近づいている。

 

気づいたこと

 

実験と解析、そして意思決定の大変さ。この点でもっとも進んでいる医学ですらコードミスや矛盾する実験結果、実験にまつわる倫理的問題に振り回される。

 

創薬にまつわる構造問題。治験はヒトを使う実験のため非常に高コストになる上、成功確率が低すぎる。創薬インセンティブの構造は脆いように感じた。

 

エーザイという会社の凄さ。個人的にはエーザイというと羽振りの良さを思い出してしまうが、それが内藤社長や杉本八郎、シャロンロジャースといった人々の執念の成果なのだと思うと感慨深い。

 

認知症の社会的コストを意識しない限り創薬コストが高すぎて研究は進まなくなるだろう。その点、医療経済学者やマクロ経済学者の出る幕がありそうだ