Take Your Time

仕事や研究、コンピューターとの付き合い方

最適時間割り当て問題

仕事の成果=生産性 x 時間は恒等式なので常に正しい。 生産性が外的に決定されるものだとすれば仕事の成果は時間の最適割り当て問題と言っても過言ではない。 しかし、生産性それ自体は時間割り当てによって左右される。 例えば睡眠時間を削って仕事をしまくればその週の成果は上がっても体調を崩しその後数週間にわたって生産性が下がってしまうし、家族との関係が悪くなってその後数年単位で生産性が下がるかもしれない。 従って、前述の最適割り当て問題は、睡眠時間や生活時間の制約がつくことになる。

さらに、生産性は一定ではない。例えば、10時間で全く異なる2つの仕事をするときに10分ずつ交互にやるのと、5時間ずつに分けるのと、2時間ずつに交互にやるのとどれが良いだろうか。 ものによるが10分ずつに区切ればコンテキストスイッチに時間を取られめちゃくちゃ生産性が悪く、5時間ずつに分けると飽きて能率が下がるので2時間ずつやるというのが最適になったりする。 従って時間割り当て問題にはさらに「能率が下がらない程度にまとめた時間同じことをやる」という制約がつく。

ここまではこれまでの時間管理で考慮していたが、最近もう一つのファクターを重視するようになった。それはやる気や気分だ。先送り症候群への治療法としてやりたくなくても少しやるというのがあるが、これはやる気や気分のような不確定なものはできるだけ無視しろという発想だ。これが正しいと思っていたが、この数年むしろ、やる気や気分を最大限にすることの方が大事なのではないかと思い始めた。

例えば、気分が乗らないなら寝たり遊んだりしてやる気を上げる。やらなきゃいけないという気持ちが最高潮になった時に手を動かす。これがいいのではないかと。これは子育てをしている時に気づいたことだ。子育てに時間を取られて早く仕事をしたいという気持ちを高めた方がダラダラやるより圧倒的に生産性が高い。仕事の選択をするときに金銭的報酬や社会的評価より自分がモチベーションが上がる方向に仕事を決める。こうした考え方に移ってきた気がする。