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仕事や研究、コンピューターとの付き合い方

経済学とはなんなのか。機械学習やデータサイエンスとの関係

経済学中心主義ともいうのであろうか。 経済社会のありとあらゆる分野について深いドメイン知識を持ち、複雑な社会現象をモデリングし、他の領域に追随を許さない高度な推定手法で「発見」や「提言」をする圧倒的な存在として社会科学に君臨する経済学者像。

これに対する批判は従前からあった。それは、経済学者は「ほんとうの経済」について知らないというもの。 端的に言えば、ドメイン知識が浅く軽薄な数字あそびをしているという「浮世離れした女王」像だ。

それが今や、ドメイン知識以外の部分もどうなのかという批判に直面している。

例えば、データサイエンティストが扱う広範なデータのうち、「きれいな」サーベイデータしか扱えない極小のカバレッジ、自らサーバーを立ててデータをつくることができない低いコンピュータスキル、それらから生じた新しいデータを用いた研究蓄積の乏しさによって、「時代遅れ感」が急速に高まっている。

つまりオワコン。

計算社会科学や複雑系といったこれまでバカにしてきた亜流が新しいデータへの柔軟な対応を図っているときに、いまだに行政が統計データを整備しないことを批判しているだけ。

つまり、「浮世離れ」だけでなく「年老いて世間についていけない」、引退勧告間近の女王が現状なのではないか。