年も改まったことだし論文管理環境を再構築する。
もともとmendeley派だったが、色々トラブルが多く一度Zoteroに以降した。ただ、ZoteroとSugarsyncを並行して使っていたためおかしなことに。
丸一日格闘した結果、Zoteroの動作をようやく理解したのでメモしておく。
Zoteroの文献管理方法は独特で、文献のメタデータを「データ」と呼び、PDFファイルなど文献本体は「ファイル」と呼ぶ。 「ファイル」は「データ」の添付として扱われる。 例えば、Taro Yamada (2019) "super cool research"という文献があった場合、"著者:Taro Yamada, 刊行年:2019, タイトル: super cool research"がデータ、"Yamada_2019_super_cool_research.pdf"はファイルと呼ばれる。
すでにローカルに保存されてあるファイルを、Zoteroにドラッグアンドドロップし、右クリックでメタデータを読み込むを選択すると自動的にメタデータから文献情報ファイルを作ってくれる。これがデータだ。
このデータ自体はホームディレクトリ以下のZoteroのおそらくsqliteファイルに保存されている。なので、sqliteをコピーすれば文献情報を共有することができる。
PDFデータ、つまりファイルはどうなるのか。これが厄介で、Zoteroはファイルを一旦Zoteroディレクトリ以下のstorageディレクトリにコピーしていく。ファイルのリネームを行ってももともと読み込ませたPDFは変わらずstorage以下のファイルの名前が変わる。
このデータとファイルの二元管理がSugarsyncとの相性を悪くしている。つまり、「データ」であるsqliteとローカルのPDFファイル群を別のPCと同期してもZoteroは「データ」とローカルのPDFファイルを紐付けることができない。「データ」に書いてある「ファイル」の所在はstorage以下のファイルになっているからだ。
これを避けるためにはいくつか方法があるが、一番簡単なZoteroのオンラインストレージを使う方法を今回は用いない。お金がもったいないからだ。これから述べるのはもともとのSugarsyncを用いてPDFをsyncする方法だ。
1からやり直したいのでZoteroデータを一旦全消去する。Zoteroディレクトリにあるsqliteやストレージを全て削除。たいていホームディレクトリの直下にあるはず。
ローカルが綺麗に削除されたらオンラインライブラリのリセットにうつる。
Macの場合、環境設定から同期タブをクリックし、さらにリセットタブをクリックするとこの画面になる。
「多くの場合、リセットすることでさらなる問題を引き起こす」と、やや恐ろしい説明が書いてあるが無視する。 オンラインライブラリを上書きする、を選択してリセットする。
この時ウェブのZotero.orgにログインしてマイライブラリを確認するとすごい勢いでメタデータが消されていくのがわかる。
すべて削除できたら完了。
一旦Zoteroを削除して再インストールする。しなくてもいいかもしれない。
再構築に入る。まずいちばん大事なことはZoteroのオンラインストレージを絶対に使わないことだ。設定はこうだ。
全文を同期するはオフにする。また下部のストレージどうのこうのすべてオフだ。これで「データ」のみ同期してくれる。
Zoteroのストレージのフリースペースは300MBしかないのでそもそもまともに使えないし、Sugarsyncによる同期と輻輳して変なことになるのを避ける。
次に、Sugarsync側の設定で、ホームディレクトリ以下のZotero/storage/ディレクトリのみを同期する。sqliteなどはZoteroがオンラインサーバー経由で同期するの無視する。1 繰り返しになるが、Zoteroが見に行くのはZotero/storage/以下のファイルだ。これを同期する。もともと保存してあったPDF群は同期をやめる。
個人的にはいつかZoteroをやめるかもしれないのでPDF群自体は廃棄しないが基本的にはもう使わない。