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今日のWBSに渡辺前財務官が出演。
ECBの利上げに肯定的。短期では景気後退懸念から難しいが、長期的に見ると利上げが正しいということだそうだ。
当人はFEDの利上げにも肯定的で、さらに日銀についても軽く利上げ推奨。
副総裁になる可能性がある人だけに説得力はある。

ただ、個人的にどうしてもわからないのが輸入インフレに対して金融政策がどうあるべきなのか。
利上げ派からすると

  • 原油、食料の高騰は投機。行き場を失ったカネが流れているだけ。主要国の協調引き締めで対応すべき。
  • 一部商品が先導するインフレはやがて期待インフレ率の上昇につながる。アンカーをつけるために中央銀行は断固とした姿勢を示すべき。
  • かつての石油ショックでは早めに手を打たなかったために大インフレ。

一方、金利中立派は

  • 金融政策は需要に作用するもの。供給側のコストプッシュインフレには無意味。
  • 景気後退懸念。下げはないにしても上げはありえない。
  • 輸入インフレによって国内物価は低下傾向。
  • 石油ショックのときは賃金上昇率が高かった。賃金の上昇圧力のない現在とは状況がまったく違う。

少なくとも、

  • 期待インフレ率の上昇が物価安定を脅かす

のは事実だろう。
したがって、期待インフレ率が暴走の気配を見せたら毅然と対処すべきだろう。
ただ、現時点でそのような情勢は確認できない。日本相互証券株式会社
一方で、

  • 世界的なカネ余りによるマネーの暴走

  • 輸入物価の上昇による国内購買力の低下及びそれによる国内物価への低下圧力

は、同時に正しいと言える。

結局はグローバルな視点から利上げ協調を行うか、国内景気優先で中立を保つかということか。
ドル安、インフレ懸念からFEDが利上げしたら、ドル高から原油価格低下を通じて景気回復するのだろうか。
あるいは、利上げによるセンチメントのさらなる悪化によって一段と景気が悪くなるのだろうか。
結局はアメリカの次の一手を待つばかりか。