Take Your Time

仕事や研究、コンピューターとの付き合い方

なぜデジタル政府は失敗し続けるのか

なぜデジタル政府は失敗し続けるのか 消えた年金からコロナ対策まで

ざっと読んだ。数十億円というオーダーで金をかけてシステム開発断念した特許庁京都市の例など悲惨という印象を強く持った。ほとんどの問題で通底するのは、発注者が発注能力がないという点。それはそうで、コードを一行も書けない行政官に仕様書を書けなんて到底無理な話。これは典型的なP-A問題でもあろう。 システム導入を赤字で落札して運用で稼ぐというベンダーロックインも入札方式の問題というしかない。

もうひとつはセキュリティの問題。非現実的にガチガチなセキュリティがシステム開発ボトルネックになり無駄に複雑で使い勝手が悪いものになりさがっている。

特許庁システムのように最終的にベンダー側が耳を揃えて受注費を納めるという顛末を辿るようなリスクの高い行政システム調達は正直手を出したくないし、セキュリティガチガチの問題を解決するには中の人である必要があってベンダーではどうしようもない。

そういうわけで、デジタル庁に発注できる、仕様書を書ける人材を集めるのは悪くないと思う。とはいえ、17業務の標準化はたぶん失敗するだろうことは目に見えている。拙速がプロジェクトを殺してきたのに同じ徹を踏んでいるからだ。