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帰ってきたヒトラー

ヒトラーが現代にタイムスリップしたらという映画だが、SFとかファンタジーといった趣はほとんどなくて、サシャ・バロン・コーエンマイケル・ムーアのような強烈な政治的な作品。原作を読んでいないためプロットを正確には理解していないが、映画単体として印象に残るのは主人公の売れないカメラマンサバツキの心理的葛藤やヒトラーの恐ろしさとかではなくて、街中を歩いたりオープンカーでパレードするヒトラーへの素人の反応やヒトラーに呼応して広がるYoutuberたち(こちらは演者だろうが)の反応のリアルさである。奇しくもイギリスがEU離脱という国民的意思を示した直後の公開ということもそうした現実の政治とのリンクを強く感じさせる。良い作品かはわからないが、非常に時代をとらえた作品だと思う。