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仕事や研究、コンピューターとの付き合い方

マトリックスリローデッド、マトリックスレボリューション

3部作を一日一本で見返した。
一作目のマトリックスで完結すればよかったという声も多かったが納得できる。恐らく製作側もバカ受けするまではそう思ってたのではないか。
結局、なんでもありな電脳世界という設定は物語をとても窮屈にしてしまう。生身の肉体でも空を飛べるし鉄砲の弾はよけられるしはじき返されるし自分の分身をいくらでもつくれるし、際限がない。
マトリックスが下敷きにしている攻殻機動隊でも電脳世界内で移動や戦闘を行う描写はあるが飽くまでもそれは「ハッキング」や「情報操作」のアナロジーとしての位置づけを超えるものではなく、観客も「とっても複雑で難解なこと」を描写しているのだなあと受け取るが、マトリックスの場合、スクリーンに映し出されるものが「脳が受け取ったイメージ」≒「現実」という設定なのでよりぶっ飛んだ設定になっているといえる。結果、戦闘シーンの整合性はことごとく破たんし、それに引きずられて現実世界でもスーパーマン化したネオの存在はもはやギャグに近いものになっている。
当時から感じていたが、やはりマトリックス続編は駄作と断言してもいいと思う。しかし、マトリックス自体は非常によくできたSFであり、時代をつくった作品であることは言うまでもない。