経済学博士課程とＭＢＡなどのターミナル修士との違いは何か。コースワークの有無である。当たり前だが、これは本質的だと思う。コースワークとは何か。あるブログから引用すると「これまで学んできた経済学を数学的厳密性を持って学びなおすこと」である。数学的厳密性はどこまで厳密なのか。無限である。たとえばおなじみの効用最大化問題。微分して０で答えを出したら０点である。そもそもその微分ってなんなのか。∇とか意味不明な記号が出てくるのである。さらにコースワークという標準化されたカリキュラムと標準的なテキストがあるせいでどんな授業をしたとしても勉強しなくてはならない範囲は決まっている。授業で一言も触れてなくても二階の十分条件をヘッシアンで出さないと宿題が減点されるのである。そういうことに理不尽さを感じない。むしろ楽しい。（笑）をみると「あ、開集合か」と思う。どんどん自分で教科書を読んで毎日数式を解いてクラスメートに「へへん。〜〜の定理って知ってるか」と言いたい。そんな人に私はなりたくない。
