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仕事や研究、コンピューターとの付き合い方

某ミクロ経済の教科書によれば経済学の大土台たる効用理論は、人間の「喜び」「悲しみ」などを数値化して扱いやすくしたもの。掘り下げていけば「貨幣」や「消費」といった経済チックな観念ではなくてむしろ根本は心理学や認知科学社会学などの成果を踏まえている。というか踏まえないといけないはず。19世紀に基本的なアイデアが完成した効用理論だが、19世紀の人間と21世紀の人間が同じような精神構造を持っているとも思えない。とすれば本来なら見直されなければならないのだろうが、アロー、ドブリューがあまりにも天才的に堅牢で洗練された理論を構築してしまったために未だにクラシカルな理論が幅を利かせている。現代人の幸せってなんだろうか。やはり人とのつながりなんではないだろうか。飢えてもなかなか人を殺そうと思わないが愛してた人間から裏切られた人間は簡単に人を殺す。