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仕事や研究、コンピューターとの付き合い方

トム・クランシー

トム・クランシーが死んだ。

中学生の頃古本屋で文庫版の「レッドオクトーバーを追え」を発見し、なんとなく装丁がかっこよくて買って以来彼のファンだ。
装丁には潜水艦「レッド・オクトーバー」が海中を疾走する絵が書かれていたと思う。その後、日本の架空戦史物(大石英司など)を読み、これも亡くなった児島襄の戦記もの、司馬遼太郎の歴史物など、戦争を描いた作品をよく読んだ。そういえば、落合信彦にもハマった。
近視で喘息持ちで身長が前から2番目とかだった当時の自分には、自ら軍人になるという夢はまったく想像できなかったが、究極の官僚機構である軍隊には入らなかったものの、その香りを感じる組織に入ったのは偶然ではないのかもしれない。
最近、西浦進の「昭和戦争史の証言 日本陸軍終焉の真実」を読んだ。これは戦前、戦中のほとんどを陸軍の軍政担当として過ごした陸軍官僚の手記であるが、ほとんど現代日本の官僚機構と変わらない暮らし、仕事ぶり(帰宅はだいぶ早かったみたいだが)であった。権限争いや部署間の抗争、不真面目で無能な上司、エキセントリックな同僚に振り回される日常の悲哀をリアルに感じた。