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仕事や研究、コンピューターとの付き合い方

ボストン

6年ぶり。
巨大ロブスターとイザベラスチュワートガードナー美術館が衝撃だった。
ボストンの美術館といえばMFAだが、今回はスキップしてICA(Institute of Contemporary Art)とイザベラスチュアートに行った。ICAは建物が秀逸。設計はDiller Scofidio & Renfro。といっても誰なのか知らないが。イザベラスチュアートはなんといっていいか。一人の金持ち夫人が自らの執念でつくりあげた美術館なのだが、ギリシア・ローマ時代の彫刻から中世のキリスト教教会からとってきたような聖職者の服の切れ端、絵画も中世の平面的な宗教がからルーベンス、ファンダイクのようなルネッサンス期のもの、そして同時代のサージェントに書かせたもの、さらにアジアの絵画、骨董品(日本の襖絵・屏風絵、螺鈿造りの机、中国の水墨画、モンゴルっぽい帽子)とありとあらゆる時代・地域からかき集められた美術品が所狭しとならんでいる。扉一つ、天井一つとっても彫刻や絵画でうめられており、逆に何も飾っていない部分を探すのが難しい。そして彼女の本能のままにかき集められた収集品によって形作られたその統一の取れない空間は全体として狂気にもとれる雰囲気を醸し出し、美術館全体が彼女の際限ない収集欲もしくは芸術欲(というものがあれば)のあらわれそれ自体となっている。建物は完全に屋内にとじこめられた中庭を中心とした全4階の壮大なもので、これまで見てきたあらゆる邸宅のなかで最も異彩を放っているといって過言ではない。
なぜ一介の有閑マダムがこれほどのものを作り上げることになったのか。衝撃的な美術館である。ちなみに学生$5。隣のMFAが$18ということを考えるとかなりお得である。